【元警部が解説】高校生が動かした自転車通学の安全 ─ あなたの「危険だな」を行動に変える

「ここ、危ないな」── 毎日の通学路や通勤路で、そう感じたことはありませんか。
2026年、山梨県笛吹市で、ある高校3年生の女子生徒が、自らの自転車通学路の危険な交差点を改善しようと声を上げました。信号も自転車横断帯もなく、1分あたり平均1台の車が通過する危険な場所。彼女は家族を通じて学校や警察に働きかけ、ついに県道313号に自転車横断帯の設置を実現させたのです(山梨日日新聞報道)。
元警察官として26年間 交通の現場に立ってきた私から見ても、これは「一人の声が社会を動かした」素晴らしい事例です。
この記事では、この感動的なニュースを起点に、通学路・通勤路の危険箇所をどう改善するか、そして家庭・学校・企業が今できる予防について解説します。
📑 目次
- 笛吹市で起きた「一人の声が安全を変えた」出来事
- なぜ通学路の危険は放置されがちなのか(元警部の視点)
- 「危険だな」を行動に変える4つのステップ
- 自転車横断帯ができても、油断は禁物
- 家庭・学校・企業が今できる予防
- ファミリアの取り組み
- まとめ ─ あなたの一歩が、誰かの命を守る
1. 笛吹市で起きた「一人の声が安全を変えた」出来事
山梨日日新聞の報道によれば、笛吹市の高校3年生が、自らの自転車通学路にある危険な交差点の改善を実現しました。
その交差点は、国道20号方面と県道313号が交わる地点。朝の通学時間帯には信号機も自転車横断帯もなく、平均して1分あたり1台の車が通過していたといいます。自転車で通学する生徒は、車の流れが途切れるまで、なかなか道路を渡ることができませんでした。
彼女は、この危険を見過ごしませんでした。PTA役員である父親に相談し、家族を通じて学校と情報を共有。さらに学校とともに、地元警察署に自転車横断帯の設置を求める要望書を提出したのです。
その結果、警察による交通調査が実施され、ついに県道313号に自転車横断帯が設置されました。彼女は「自分の意見で実際に自転車横断帯ができると思っていなかった」「自転車通学する人たちには安全に渡ってほしい」と語っています。
これは、たった一人の高校生の「危険だな」という気づきが、家族・学校・警察を動かし、地域全体の安全を変えた、素晴らしい事例です。
2. なぜ通学路の危険は放置されがちなのか(元警部の視点)
私は元警察官として26年間、数多くの交通事故現場に立ち会ってきました。その経験から申し上げると、危険な箇所の多くは「誰もが薄々気づいているのに、誰も声を上げない」まま放置されています。
理由①:「自分が言っても変わらない」という諦め
多くの人が「行政や警察に言っても、どうせ変わらない」と諦めてしまいます。しかし今回の事例が示すように、正しい手順で声を上げれば、確実に状況は動きます。
理由②:「事故が起きていないから大丈夫」という思い込み
「今まで事故が起きていないから大丈夫」── これは最も危険な思い込みです。私が担当した重大事故の多くは、「事故が起きるまでは安全だと思われていた場所」で発生していました。事故は「起きていない」のではなく「まだ起きていないだけ」なのです。
理由③: 危険を「見える化」して伝える方法を知らない
「なんとなく危ない」という感覚を、行政や警察を動かす「具体的な根拠」に変える方法を、多くの人が知りません。今回の生徒は、家族・学校・PTAを巻き込み、要望書という形で危険を「見える化」しました。だからこそ、警察の交通調査につながったのです。
3. 「危険だな」を行動に変える4つのステップ
今回の事例から学べる、通学路・通勤路の危険箇所を改善するための手順をまとめます。
ステップ1: 危険箇所を「記録」する
まず、危険だと感じる場所を具体的に記録します。
- 場所(住所・交差点名)
- 危険な時間帯
- 危険の内容(信号がない・見通しが悪い・車の交通量が多い等)
- 可能なら写真や動画
「なんとなく危ない」を「いつ・どこで・何が危ないか」に変えることが第一歩です。
ステップ2: 一人で抱えず「巻き込む」
今回の生徒は、PTA役員の父親に相談し、家族を通じて学校と情報を共有しました。一人の声より、複数の声のほうが行政・警察を動かす力になります。
- 家族
- 学校・PTA
- 自治会・町内会
- 同じ道を使う人たち
ステップ3: 「要望書」という形にする
口頭の相談だけでなく、書面(要望書)にすることが重要です。書面は記録に残り、行政・警察が正式に対応する根拠になります。今回も、学校とともに警察署へ要望書を提出したことが、交通調査の実施につながりました。
ステップ4: 粘り強くフォローする
要望を出して終わりではなく、進捗を確認し、粘り強くフォローすることが大切です。
4. 自転車横断帯ができても、油断は禁物
今回、自転車横断帯が設置されたことは大きな前進です。しかし、元警察官として一つ申し上げたいことがあります。
横断帯ができても、事故がゼロになるわけではありません。
横断帯は「安全に渡れる場所」を示すものですが、そこを通る自転車・歩行者・車のすべてが安全意識を持って初めて機能します。
実際、2026年4月から施行された自転車の青切符制度では、全国1か月で2,147件の取り締まりがあり、その39%が「ながら運転」によるものでした(警察庁データ)。横断帯があっても、スマホを見ながら、イヤホンをしながら渡れば、事故のリスクは残ります。
「環境を整えること(横断帯設置)」と「一人ひとりの安全意識(予防教育)」は車の両輪です。 どちらが欠けても、本当の安全は実現しません。
5. 家庭・学校・企業が今できる予防
今回の事例を、自分ごととして考えてみましょう。
家庭でできること
- お子さんの通学路を、一緒に歩いて危険箇所を確認する
- 「危ない」と感じたら、記録して学校・PTAに共有する
- ヘルメット着用・ながら運転禁止を家族のルールにする
学校でできること
- 生徒からの「危険箇所の声」を吸い上げる仕組みを作る
- 定期的な通学路点検を実施する
- 体験型の交通安全教育を導入する
企業でできること
- 従業員の自転車通勤路の危険箇所を把握する
- 通勤災害を防ぐための安全教育を実施する
- 安全管理規程に通勤時の安全を盛り込む
「危険を環境面で改善する」と同時に、「一人ひとりの予防意識を高める」ことが、本当の安全につながります。
6. ファミリアの取り組み
ファミリアは、「事故が起きてからでは遅い。起きる前に止める」を理念に、山梨県の交通安全に取り組んでいます。
今回の高校生のように「環境を変える行動」も尊いものですが、私たちは「人の意識を変える予防教育」を専門としています。
VR交通安全研修
最新のVR技術で、事故の危険を「安全に体験」できる研修です。座学の6倍の学習定着率で、企業・学校・自治会の安全意識を高めます。元警察官の代表が直接講師を務めます。
運転特性診断ツール v7
10問・8分で、あなたの「運転の癖(脳バグ)」を科学的に診断します(信頼性係数α=0.78)。「ながら運転をしやすい」「危険を予測しにくい」といった傾向を可視化し、個別の対策につなげます。
行政書士業務
元警察官であり行政書士でもある代表が、企業の安全管理規程の整備から、各種申請手続きまでをワンストップでサポートします。
7. まとめ ─ あなたの一歩が、誰かの命を守る
最後に、本記事のポイントを3つに整理します。
ポイント①:一人の声が、社会を動かす
笛吹市の高校生が示したように、「危険だな」という気づきを正しい手順で声に変えれば、家族・学校・警察を動かし、地域の安全を変えることができます。諦めないことが第一歩です。
ポイント②:環境と意識は車の両輪
自転車横断帯のような「環境の改善」と、一人ひとりの「予防意識」。この両方がそろって初めて、本当の安全が実現します。
ポイント③:あなたの身近にも危険箇所はある
今この瞬間も、あなたの通学路・通勤路に「危険だな」と感じる場所があるかもしれません。それを記録し、巻き込み、声に変える勇気が、誰かの命を守ります。
事故は「起きてから」では遅いのです。一人ひとりの一歩が、山梨を「日本一の交通安全先進県」に変えていきます。
\ ファミリアの交通安全研修・診断のお問い合わせはこちら / 元警部・行政書士の代表が、ご家族・企業・学校に寄り添うご提案をいたします。
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📊 出典・参考データ
- 山梨日日新聞「笛吹高生が声 横断帯実現/危険感じ『自転車通学安全に』」報道
- 警察庁発表データ(2026年4月 自転車青切符制度 暫定値)
- 道路交通法 第63条の3〜第63条の10(自転車に関する規定)
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この記事を書いた人
雨宮 貴司(あめみや たかし) ファミリア 代表 / 行政書士
山梨県警察に26年間勤務し、警部として交通捜査の第一線に立つ。在職中に数多くの事故被害者遺族と対面した経験をもとに、「事故が起きてからでは遅い。起きる前に止める」を理念にファミリアを設立。
VR交通安全研修・運転特性診断ツール v7・行政書士業務を通じて、山梨から全国へ「本物の安全」を届ける。
ファミリア 公式サイト:https://familia-0110.com
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