甲府市倫理法人会のモーニングセミナーで自転車安全講話を実施しました。

ファミリアの交通安全講習について説明します。

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2026年4月1日から、自転車の交通違反にも青切符(交通反則通告制度)が適用されるようになりました。これまで「注意」で終わっていた行為が、反則金の対象になり得ます。

とはいえ、多くの経営者にとって自転車は「本業の外側」にある話題ではないでしょうか。社用車の安全運転管理はしていても、社員の自転車通勤まで手が回っている会社は多くありません。

2026年7月29日、甲府市倫理法人会のモーニングセミナーで、経営者のみなさま約20名を対象に、VRゴーグルを使った自転車安全講習を実施させていただきました。本記事では、当日の内容と、経営者が今知っておくべきポイントをご報告します。

今回の講習は、甲府市倫理法人会のモーニングセミナーの一コマとしてお時間をいただいたものです。参加されたのは、県内で会社を経営されている方を中心とした約20名。朝の早い時間にもかかわらず、熱心に耳を傾けてくださいました。

お伝えしたのは、ファミリアが世代(ライフステージ)ごとに設計しているKYT(危険予知トレーニング)プログラムのうち、「一般社会人向け」のパートです。

自転車の安全教育というと、どうしても小学校や中学校の交通安全教室が思い浮かびます。しかし実際に自転車の事故当事者になっているのは、子どもだけではありません。通勤で自転車を使う社会人、買い物で使う主婦の方、そして高齢者。世代が変われば、起きやすい事故の形も、効く伝え方も変わります。

だからファミリアでは、対象の世代ごとにプログラムを分けて設計しています。今回はその中で、経営者・社会人にもっとも刺さる形に組み替えてお届けしました。

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なぜ今、経営者に「自転車」なのか

2026年4月、16歳以上に青切符が適用されました

改正道路交通法により、2026年4月1日から、16歳以上の自転車利用者による一定の交通違反に対して、青切符による取り締まりが行われるようになりました。信号無視、一時不停止、通行区分違反、携帯電話を使用しながらの運転などが対象です。

これまで自転車の違反は、赤切符(刑事手続き)か、警告の二択に近い運用でした。刑事手続きは重すぎる、警告では軽すぎる。その間を埋めるのが青切符です。つまり「これまで見逃されてきた行為が、可視化されるようになった」ということになります。

自転車は「被害者」にも「加害者」にもなります

経営者のみなさまにお伝えしたのは、自転車のリスクには二つの向きがあるという点です。

  • 社員が被害者になる……通勤中の事故は、労災の対象になり得ます。人手が欠ける、代替要員の手配が必要になる、その間の業務が止まる。
  • 社員が加害者になる……自転車で歩行者に重い傷害を負わせた場合、高額な損害賠償が認められた裁判例があります。通勤中や業務中であれば、会社の責任が問われる可能性も出てきます。

「自転車保険には入っているから大丈夫」というお声もいただきます。保険はもちろん重要です。ただし保険は、起きたあとの手当てです。起こさないための手当ては、別に必要になります。

なお山梨県には「山梨県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」があり、自転車損害賠償責任保険等への加入などが定められています。自社の状況を確認する際の出発点として、あわせてご確認ください。

当日の内容|講話・VR体験・KYTの3ステップ

① 講話|元警部が現場で見てきた自転車事故

私は山梨県警察に27年勤務し、警部として交通部門に携わってきました。交通事故分析システムの構築により、山梨県警察本部長賞をいただいたこともあります。

その経験からお話ししたのは、事故の「型」です。自転車の事故には、繰り返し現れるパターンがあります。出会い頭。右側通行。無灯火。そして、夕暮れ時。

統計の数字だけでは、人はなかなか自分ごとにできません。実際の現場がどうだったのか。当事者がどこを見ていて、どこを見ていなかったのか。そこまで踏み込むと、聞いている方の表情が変わります。
※実際の事案は、場所・日時・当事者が特定されない形でお話ししています。

② VR体験|自転車から見た景色を、自分の目で確かめる

続いて、参加者にVRゴーグルを装着していただきました。ファミリアではサンダーボルトインタラクティブ社製のVRプログラムを使用しています。

VRの価値は、迫力ではありません。「自分が見ていなかったことに、自分で気づける」ことにあります。

資料を見ながら「駐車車両の陰に気をつけましょう」と説明されても、人はうなずくだけです。ところがVRの中で実際に見落とし、ヒヤリとした瞬間を経験すると、そのあとの受け止め方がまったく変わります。「言われて初めて、自分が見ていなかったことに気づいた」——今回もそうした声をいただきました。

③ KYT|「どこを見るか」を言葉にする

体験して終わりでは、その場の驚きで終わってしまいます。そこで最後に、KYT(危険予知トレーニング)の考え方をお伝えしました。

KYTは、もともと製造業の現場で発展してきた手法です。一枚の場面を見て「どんな危険がひそんでいるか」を、その場にいる全員で挙げていきます。ポイントは、頭の中で思うだけでなく言葉にして共有することにあります。

  1. この場面に、どんな危険がひそんでいるか(現状把握)
  2. その中で、いちばん危ないのはどれか(本質追究)
  3. では、どうするか(対策樹立)
  4. 私たちはこうする、と決める(目標設定)

この4ステップを、自転車の場面に置き換えて回していただきました。世代別プログラムでは、この題材を対象に合わせて変えています。小学生には通学路の場面を、社会人には通勤路と夕暮れの場面を、というように設計を分けているわけです。

「自転車の交通安全教育実施事業者公表制度」を見据えて

いま各都道府県の警察では、「自転車の交通安全教育実施事業者公表制度」の運用が始まっています。

これは、自転車の交通安全教育を行う事業者のうち、一定の基準に適合したものを警察がウェブサイト上で公表する仕組みです。学校や自治体が「自転車の安全教室をやりたい」と考えたとき、どこに頼めばよいのかがわかるようにする。つまり需要と供給のマッチングを促す制度です。

公表を受けるためには、教育内容に自転車に関する交通法規が含まれること、教育内容と方法が受講者のライフステージの特性に応じた効果的なものとなるよう「自転車の交通安全教育ガイドライン」に即していること、といった基準を満たす必要があります。

ファミリアが世代ごとにプログラムを分けて設計しているのは、まさにこの考え方に沿うためです。今回の一般社会人向け講習も、その一環として実施しました。今後も順次、対象世代ごとの内容を整えてまいります。

参考:山梨県警察「自転車の交通事故防止」

経営者のみなさまからいただいた声

講習後、いくつかご感想をいただきました。共通していたのは「知らなかった」ではなく、「気づかなかった」という言葉でした。

ルールが変わったことは知っていたが、社員の通勤と結びつけて考えていなかった。

VRで自分が見落としたのが正直ショックだった。社員にもやらせたい。

安全教育がうまくいかない理由の多くは、内容ではなく「自分ごとになっていない」ことにあります。VRとKYTを組み合わせるのは、そこを越えるためです。

まとめ|自転車の安全は、経営者から

  • 2026年4月1日から、16歳以上の自転車利用者にも青切符が適用されるようになりました
  • 自転車は、社員が被害者にも加害者にもなり得る。会社の問題として捉える段階に入っています
  • 安全教育は「知識を渡す」より「気づいてもらう」ほうが残ります。そのためにVRとKYTを使います
  • 教育の設計は、対象の世代によって変えるべきです。これは公表制度の考え方とも重なります

「あと1秒早く気づいていれば」——27年間、その言葉を何度も聞いてきました。事故が起きてからでは、取り返せないものがあります。

自転車の安全講習は、朝礼の時間や社内研修の一コマからでも始められます。まずは自社の状況を整理するところからでも構いません。是非当社にお問い合わせください。

この記事を書いた人

雨宮 貴司(あめみや たかし)
ファミリア 代表/行政書士
元山梨県警察 警部(27年勤務)。交通事故分析システムの構築により山梨県警察本部長賞を受賞。JARI(日本自動車研究所)研修修了。山梨県で唯一、警察27年・警部経験者が直接講師を務めるVR交通安全研修事業者として、VR研修・運転特性診断・危機管理顧問・行政書士業務を行っています。
山梨県甲府市長松寺町7番8号/Instagram @familia_0110

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